episode・2 「よし!商品化しよう!!」
デルタパック試作第一号が完成。
長男さんが使い始めてすぐの事でした。
妻から「保育園で『そのリュック、どこで買ったんですか?』って聞かれたんだけど。。。」と言われまして。
その時は純粋に、少しでも興味を持ってくれた人がいたという事が嬉しくて☆
”作って良かったなぁ”
と思い、長男さんも保育園で喜んでいるのかなぁと想像するだけで心が温かくなりました。本当に、本当にそれだけ。
ただ、数日経ったある日、また同じような事を聞かれたと報告が。
それから、また…という具合に「そのリュック?」が増えていきました。
そこで大手企業さんや普通のバッグメーカーさんだったら、即商品化!
という具合になると思うのですが、私はそうならず。
「もの作り」には生み出した”責任”が必ず付属します。製造者責任というやつですね。
そして、これはある意味、私独特な考え方かもしれませんが
自ら「生み出したい!」と思った商品は全て、我が子同然に感じてしまうという事です。
勢いだけで生産し、自分の中で「コレなら!」という合格点以上の「もの作り」が出来ていない商品を世の中に旅立たせる事は
商品に対しても、それを使ってくれる方に対しても、それを縫製し作ってくれる人に対しても失礼ではないかと。
それこそ”無責任”なんじゃないかと思ったのです。
責任能力の有無とは別の意味で。
なので、決断を下すまで約半年ほどかかりました。他の仕事が忙しかったってのもありますけどね(笑)
転機になったのは、生産でお世話になっている「兄さん」のような存在のR社長でした。
悶々としている間にも「そのリュック?」の声は増えていき、それにつれてプレッシャーも増えていきます。
そんなある日。
他の仕事話をしている時に、ふとこのリュックの悩みを打ち明けたところ
「大丈夫ですよ!星野さんなら!」
と満面の笑みで言ってくれたんです。
そのR社長は本当に苦労人で、
30年以上バッグの生産を続けてきた大先輩。
そんな人が、私に笑顔でそう言ってくれた!ということが、とても嬉しく
とても頼もしく、その言葉が商品化に向けた「燃料」になりました。
そこからは「何をすべきか」という思考へ完全に切り替え、
どうせやるなら、「今の自分が表現できる究極のものを!」という気持ちで、それこそ24時間、夢の中でも思考をめぐらせ、たどり着いたのが
・3歳児でも簡単に扱えて、宝物のように大事にしてくれるバッグ。
・親御さんが安心して我が子に託せるようなバッグ。
・子供達の成長を促し、寄り添い続けられるバッグ。
というテーマでした。
ここから生まれたのが『ちいく(知育)ばっぐ』です。
そのテーマに誠実に向き合う為、試作第1号を一から見直し
全て白紙の状態から組み立て直した試作第二号がこれです。
まずは外見ではなく中身を!
という決意を込めた、真白なサンプル。
この時点で、ほぼ商品と同じ仕様になりました。
。。。この子は、長男さんには渡さずに私だけが関わった、
ある意味特殊な存在です。
(今でも研究所内、机の隣にいらっしゃいます)
そして、この時点で知財の出願を行いました。
なぜ知財なのか?
と、疑問に思われる方もたくさんいますよね。
なぜか?
それは、この『想い』をただの「アイデア」にしたくなかったからです。
「アイデア」は世界中の人たちに模倣され、検証されます。
「デッドコピー」と呼ばれるモノ以外は、ほぼ全て「アイデアの模倣」というのが世の中の通念です。
その中で、進化するものもあれば、消費されてしまうものもあります。
これを見て、「よし!俺もコレを超える物を作る!」と進化へのキッカケになってくれるのなら良いですが、残念ながら現状は全く異なり、ほとんどの場合、発表と同時に利益追求型の数多な模倣品が溢れ、小さな世界の中で消費されてしまい、「進化」への検証が成される前に陳腐化してしまいます。「アイデア」とは進化しなければならないはずなのに。。。
なので、小さな世界で産まれた『想い』を、大きな世界で進化の為の検証が成される様。産み出した「親」として健やかな成長を見守るために「知財」を出願しました。認可が下りた場合、その「アイデア」は基本、勝手に模倣できなくなります。
(知財にも”特許”や”意匠登録”や”実用新案”などがあります。”商標”も知財です。)
「バッグ」って、服飾雑貨と呼ばれるカテゴリーに当てはまる物なんですが、言葉の通り「衣類の付属品」なんですよね。バッグが世の中で販売されてから何百年も経っているのに、現代でも「付属品」なんです。財布やベルト、帽子などもそうです。既に定着してしまった言葉(記号)なので、今後も使い続けられると思います。
体に纏うモノの方が大事なアイテムだというのはとても良くわかるのですが、物を運ぶものも、大事じゃないかな?
と、「服飾雑貨」と呼ばれる度に感じます。
バッグは「バッグ」で良いじゃん!って。
そんな『想い』も一緒に。
この「ちいくばっぐ」に込めました。
これを書いているのは2月16日の深夜。二日続けて夜更かししているので何だか謎日記みたいですが(笑)
この商品を語る上で、私の中ではどうしても書かなければならない事だったので
書きました。
次からは一転して、軽快にいこうと思います!
次回
episode・3 作るなら本物!
ご期待ください!
5
デルタパック試作第一号が完成。
長男さんが使い始めてすぐの事でした。
妻から「保育園で『そのリュック、どこで買ったんですか?』って聞かれたんだけど。。。」と言われまして。
その時は純粋に、少しでも興味を持ってくれた人がいたという事が嬉しくて☆
”作って良かったなぁ”
と思い、長男さんも保育園で喜んでいるのかなぁと想像するだけで心が温かくなりました。本当に、本当にそれだけ。
ただ、数日経ったある日、また同じような事を聞かれたと報告が。
それから、また…という具合に「そのリュック?」が増えていきました。
そこで大手企業さんや普通のバッグメーカーさんだったら、即商品化!
という具合になると思うのですが、私はそうならず。
「もの作り」には生み出した”責任”が必ず付属します。製造者責任というやつですね。
そして、これはある意味、私独特な考え方かもしれませんが
自ら「生み出したい!」と思った商品は全て、我が子同然に感じてしまうという事です。
勢いだけで生産し、自分の中で「コレなら!」という合格点以上の「もの作り」が出来ていない商品を世の中に旅立たせる事は
商品に対しても、それを使ってくれる方に対しても、それを縫製し作ってくれる人に対しても失礼ではないかと。
それこそ”無責任”なんじゃないかと思ったのです。
責任能力の有無とは別の意味で。
なので、決断を下すまで約半年ほどかかりました。他の仕事が忙しかったってのもありますけどね(笑)
転機になったのは、生産でお世話になっている「兄さん」のような存在のR社長でした。
悶々としている間にも「そのリュック?」の声は増えていき、それにつれてプレッシャーも増えていきます。
そんなある日。
他の仕事話をしている時に、ふとこのリュックの悩みを打ち明けたところ
「大丈夫ですよ!星野さんなら!」
と満面の笑みで言ってくれたんです。
そのR社長は本当に苦労人で、
30年以上バッグの生産を続けてきた大先輩。
そんな人が、私に笑顔でそう言ってくれた!ということが、とても嬉しく
とても頼もしく、その言葉が商品化に向けた「燃料」になりました。
そこからは「何をすべきか」という思考へ完全に切り替え、
どうせやるなら、「今の自分が表現できる究極のものを!」という気持ちで、それこそ24時間、夢の中でも思考をめぐらせ、たどり着いたのが
・3歳児でも簡単に扱えて、宝物のように大事にしてくれるバッグ。
・親御さんが安心して我が子に託せるようなバッグ。
・子供達の成長を促し、寄り添い続けられるバッグ。
というテーマでした。
ここから生まれたのが『ちいく(知育)ばっぐ』です。
そのテーマに誠実に向き合う為、試作第1号を一から見直し
全て白紙の状態から組み立て直した試作第二号がこれです。
まずは外見ではなく中身を!
という決意を込めた、真白なサンプル。
この時点で、ほぼ商品と同じ仕様になりました。
。。。この子は、長男さんには渡さずに私だけが関わった、
ある意味特殊な存在です。
(今でも研究所内、机の隣にいらっしゃいます)
そして、この時点で知財の出願を行いました。
なぜ知財なのか?
と、疑問に思われる方もたくさんいますよね。
なぜか?
それは、この『想い』をただの「アイデア」にしたくなかったからです。
「アイデア」は世界中の人たちに模倣され、検証されます。
「デッドコピー」と呼ばれるモノ以外は、ほぼ全て「アイデアの模倣」というのが世の中の通念です。
その中で、進化するものもあれば、消費されてしまうものもあります。
これを見て、「よし!俺もコレを超える物を作る!」と進化へのキッカケになってくれるのなら良いですが、残念ながら現状は全く異なり、ほとんどの場合、発表と同時に利益追求型の数多な模倣品が溢れ、小さな世界の中で消費されてしまい、「進化」への検証が成される前に陳腐化してしまいます。「アイデア」とは進化しなければならないはずなのに。。。
なので、小さな世界で産まれた『想い』を、大きな世界で進化の為の検証が成される様。産み出した「親」として健やかな成長を見守るために「知財」を出願しました。認可が下りた場合、その「アイデア」は基本、勝手に模倣できなくなります。
(知財にも”特許”や”意匠登録”や”実用新案”などがあります。”商標”も知財です。)
「バッグ」って、服飾雑貨と呼ばれるカテゴリーに当てはまる物なんですが、言葉の通り「衣類の付属品」なんですよね。バッグが世の中で販売されてから何百年も経っているのに、現代でも「付属品」なんです。財布やベルト、帽子などもそうです。既に定着してしまった言葉(記号)なので、今後も使い続けられると思います。
体に纏うモノの方が大事なアイテムだというのはとても良くわかるのですが、物を運ぶものも、大事じゃないかな?
と、「服飾雑貨」と呼ばれる度に感じます。
バッグは「バッグ」で良いじゃん!って。
そんな『想い』も一緒に。
この「ちいくばっぐ」に込めました。
これを書いているのは2月16日の深夜。二日続けて夜更かししているので何だか謎日記みたいですが(笑)
この商品を語る上で、私の中ではどうしても書かなければならない事だったので
書きました。
次からは一転して、軽快にいこうと思います!
次回
episode・3 作るなら本物!
ご期待ください!
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テーマ
ちいくばっぐ